「秘密の花園クラブ通信掲載」
一九九六年十月十九日 早稲田のアバコスタジオで、『ラ・ヴィアン・ローズ』のCD収録が行われました。その時のレポートは、小説花音倶楽部2月号に載っていますが、ここでは、公?にできない部分もふくめて、再度、アフレコ+打ち上げのレポートを書いてみたいと思います。
まず、CD化が決まった段階で、キャスティングに入りますが、今回は、5人が主役みたいな話です。それぞれ、自己主張してくれる声優さんを!と、イメージとあわせながら各社のサンプルボイスなどで選びました。
一眞は、繊細さと淫乱さをだしてくれて、全体的なイメージは硬質な感じ。
皓一は、強引、かつ、俺が、俺がと迫るが、本当は、一番マトモな人。
真澄は、一見ウケタイプなのに、甘えながら、攻めまくって、絶倫の、ちょっと変態がかったタイプ。
征治は、ダンディなパパ。強引さと厳しさがあるものの、この人に愛されたら幸せになれると感じさせてくれるタイプ。
大鳥昇は、ムーミンパパのような感じ。
これで、キャスティングにはいりました。
パソコン通信を通じて、アンケートとったり、声優事務所に勤める知り合いや、シナリオライターさんとも相談しながら、ほぼ決定。
交渉に入りました…そんなある日。塩沢兼人さんより、電話があり、「俺も、なにか演(や)るよ」と、言って下さったのです!…が、実は、山藍は、塩沢さんに*一通りのパターンを (*同人誌『楽園』の対談参照してね)演じて頂いたのと、今度は塩沢さんと二重人格もの(JUNEガーデン1でリクエストがありました)をやりたいなと思っていたこともあり、今回は、温存しておこうとキャストにいれてなかったのです。
パソコン通信の声優フォーラムでも、塩沢さんは今回は入ってませんとか、発表してしまった後でもありましたし…。
でもでも、せっかくのお言葉。
しかし、この時すでに、キャストが決定ずみ。
残っていたのが大鳥院長と犯人だけ。−−おまけに犯人は一言しかない…。
塩沢さんに、糖尿病で、すけべなオヤジしか残ってないと言うと、かえって面白がって、大鳥院長に決定!。
電話口で、「よいではないか、よいではないか…」(バカ殿風に演技入ってました)とか言うの?と、訊かれたりもしました…が(笑)ところが、大鳥院長=塩沢兼人に決定!で、すむはずがありませんでした。
担当者、シナリオライター、絵描き、その他、騒然となった結果、糖尿病で、すけべで、太ったオヤジが塩沢兼人だなんて絶対に許せないと、いきなり、バージョンアップといいますか、塩沢さんのイメージにビューティアップすることが決まりました。
その旨、イラスト担当の本仁戻先生に伝わり、結果が、あの小雑誌の漫画です。
−−が、
本仁さんも困惑、そく電話での問い合わせが来ました。
どんな感じに描けばいいのでしょう?と訊かれるのに、山藍も答えに窮し、田宮次郎とか…?と言ってみる。(病院だから、咄嗟に白い巨塔が浮かんで…)
すると、本仁さんからさらに疑問が。
「田宮次郎? どんな人ですか?」
この時ほど、年齢の差を感じたことはありませんでした…。ハハハ(乾いた笑)
でも結局、本仁さんは、あの素敵な大鳥パパを描き出してくれたのです。
後から、付録小雑誌の楽屋落ち漫画を読んで、私たち共通の塩沢さんの原点が、マ・クベだったと知って、嬉しかったりしました。
ですから、ノベルスでは、糖尿病で勃たず、すけべで、太ったオヤジは、一眞の母親に裏切られたが故に不能になってしまった苦悩する病院長にまでビューティアップ!していますので、ご心配なくね。
とまあ、キャストが決まって、収録になるのですが、当日、まず、森川さんが、同じ建物の中で別の収録があったとのことで、一番にご到着。
次に、思い詰めた表情の三木眞一郎さんがご到着。かなりプレッシャーを感じている様子?。シナリオアップの段階で、「これは、主役は大変だ」と、同情?が集まっていたのですが、その所為かしら…と、心配になってきました。
総勢で7人の声優さんが集合。まず、パパ2人はすぐに出番がないために、外でコーヒータイム。
三木さんの熱演が始まりました。
テストの時は、現場の雰囲気を和ませるかのように、真澄役の飛田さんや、皓一役の森川さんが、アドリブを連発。
思わず、『優しくしてね』『しまったぁ』と、応答てしまう三木さん。
変態度アップの真澄は、ねばりつくような感じで、怖かったでちゅ…。
声優さん方が、ちゃんと役柄を掴んでくれて、その中で、自己主張しているという感じが、とても良かったかな。
森川さんも、後でおまけ小冊子の個別インタビュー記事を見ても、皓一がどんな奴か判っていて、皓一のいい部分を出そうとしてくれていたのが判りますしね。
若い人たちと(オイオイ)仕事するのは愉しいなぁと、感じさせてくれた数時間でした。
そして、辺りが暗くなった頃に、パパ2人の登場で、いっそうの盛り上がりと緊張が…。
塩沢さんには、設定年齢を無視していいから、たっぷり塩沢節を聞かせて下さいとお願いして、パパ2人は、あの手、この手で三木一眞に迫ります。このCDは、5人の声優さんを楽しむCDと思って頂いてもいいかも…。
収録後には、対談がありまして、塩沢さんの大胆発言「味わっちゃえばね、カモーンって感じだよね」(受け役で頑張った三木さんに向かって…、そ、それは…塩沢さん…、受け役が?それとも、みんなに愛されるハーレム状態が?)に、堀内さんも、負けずに、「実際、僕と塩沢さんはホモなんです」ときたぞ。
このパパ2人に押されて?、おとなしめの若手…。もし三木さんが本当に一眞だったら、4人の誰を選びますか?の質問があったのですが、三木さんは博愛主義を発揮して、全員とか、ここまできたら、誰か一人とはいえないと、明答を避けるのです。
それでも突っ込む司会者に、真澄が助け船を「いやあ、縦社会ですから…」
「ベテランの方に輪姦(まわ)されて…いえいえ、ベテランの方に囲まれて仕事が出来て幸せでした」と、三木さんは、5人の中では一番の若手さん。そうだったのね、失礼しました。というわけで、CDについてくるおまけ小冊子も面白いです。対談の他に、本仁さんの漫画と、書き下ろしイラスト入り。
あと、全員に、誰が一番テクニシャンでしょうか?という質問があって、ダントツの一位は、あの方だ! CDを聴いて確かめよう。
収録が終わったのは、10時すぎでした。
打ち上げに行こうかと、三木さん、塩沢さん、堀内さん、制作会社社長、プロデューサー、シナリオライターの平さんと私で、飲みに行き、朝の4時まで飲んでいたのでした。
途中、塩沢さんが、三木さんを褒めてました。三木さんは、とても真面目な演劇青年。好感が持てます。堀内さんは、愉しい、素敵な方です。もう一度、お仕事したいなと思える方でした。
こうして出来上がった『ラ・ヴィアン・ローズ』です。お楽しみ頂けたらと願っています。感想も送ってね。
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